サマタ瞑想 40種
- 10遍(カシナ)10種
白、茶、黄、赤、地、水、火、風、光、空間を観て瞑想する。第四禅まで行ける。
- 白遍(オダータカシナ)
最初は、白遍から実践する。他人又は、自分の頭骸骨の白い形を見つめ、「白、白・・・」と
心の中で唱え、集中する。しばらくすると骸骨の形がなくなり、白色だけが残る。その白を少し
ずつ広げ、全て白になるようにする。その白の中に自分が座っているようにする。 その状態で
1時間集中し、終わって五禅支を確認し、初禅に入る。五自在で修行し第四禅まで行う。
- 茶遍(ミラーカシナ)
三十二身分中の髪の毛の茶色の部分や、袈裟の茶色の部分を見つめ、「茶色、茶色・・・」と
心の中で唱え、集中する。しばらくすると、髪の毛の形や袈裟の形がなくなり、茶色だけが残る。
その茶を少しずつ広げ、全て茶になるようにする。その茶に自分が座っているようにする。その
状態で1時間集中し、初禅に入る。五禅支を確認、五自在で修行し第四禅まで行う。
- 黄遍(ピターカシナ)
三十二身分中の糞便や尿の黄色の部分を見つめ、前記のように行う。
- 赤遍(ローヒッタカシナ)
三十二身分中の血の赤色の部分を見つめ、前記のように行う。
- 地遍(パタウィーカシナ)
先ず、石や草がないきれいな地面を選び、その地面に直径約25センチの円を棒で描く。最初
にその円をよく観る。次には目を閉じてその円を観想する。次にアーナ・パーナから第四禅に入
り、ニミッタの光が強くなったら、その地面の円相に対して集中する。集中しながら、「パタウ
ィー、パタウィー、地、地・・・」と心の中で唱え、その地面が光輝くように瞑想する。光り輝
いたら、唱えるのを止めて瞑想を続ける。五禅支を確認、五自在で修行し、第四禅まで行う。
- 水遍(アポーカシナ)
水をコップに入れるか、バケツに水を入れてよく観る。コップの色とバケツの色を観ないよう
にする。池や湖のように、水だけを観るようにするとよい。
アーナ・パーナ第四禅に入って、先に観た水に対して、「アボー、アボー、水、水・・・」と心
の中で唱えジャーナに入る。ジャーナに入ったら、唱えるのを止める。五禅支を確認、五自在で
修行し、第四禅まで行う。
- 火遍(テゾーカシナ)
先ず、仏陀に上げるローソクの火か、自分で見た山火事、その他の火を思い出して観る。かま
どの火や、焚火等の火でもよい。
その火を観るときは、上の煙を観てはならない。又、下の燃やしている物を観てならない。ア
ーナ・パーナ第四禅に入って、真中の火だけを観て、「テゾー、テゾー、火、火・・・」と、心
の中で唱えジャーナに入る。ジャーナに入ったら唱えなくてもよい。五禅支を確認、五自在で修
行し第四禅まで行う。
- 風遍(ワヨーカシナ)
先ず、アーナ・パーナ第四禅に入って、風に揺れている葉っぱや、自分に吹いてくる風に対し
て集中する。扇風機の風が、自分に吹いてくるのをイメージするとやり易い。風に対して、「ワ
ヨー、ワヨー、風、風・・・」と、心の中で唱えジャーナに入る。ジャーナに入ったら唱えるの
を止める。五禅支を確認、五自在で修行し第四禅まで行う。
- 光明遍(アーロカカシナ)
アーナ・パーナ第四禅に入って、太陽の光、太陽の光が窓から入ってきた光、葉っぱの間から
入ってきた光等を観て、「アーロカ、アーロカ、光、光・・・」と、心の中で唱えジャーナに入
る。ジャーナに入ったら唱えるのを止める。五禅支を確認、五自在で修行し第四禅まで行う。
- 虚空遍(こくうへん・アーカーサカシナ)
アーナ・パーナ第四禅に入り、壁の穴か、葉っぱの一つ一つの間を観る。又は、直径10セン
チくらいの穴の空いた物を、雲のない空の方に向ける。その空間を観ながら、「アナダアーカー
サ、アナダアーカーサ、虚空、虚空・・・」と、心の中で唱えジャーナに入る。そして、その虚
空を全体的に広げ、真中に集中する。集中できたら、「アナダアーカーサ・・・」と、唱えなく
てもよい。五禅支を確認、五自在で修行し第四禅まで行う。
- 不浄観・白骨観10種
初禅まで行ける。
- 随念(アヌッサティ)10種
随念とは、何度も念じることである。次の10種について何度も念じる。
-
- 仏随念から三十二身体部分までの瞑想は、第三禅まで、アーナ・パーナ瞑想は、第四禅ま
で行ける。
- (1)番の仏陀については、仏随念(ブッダアヌッサティ)と呼ばれている。
その瞑想法は、先ず第四禅に入って、自分の好きな仏陀の仏像を想い浮かべ、その仏像を仏陀
と感じ、「アラハン、アラハン・・・」と心の中で何度も唱え、ジャーナ(禅定)に入る。
- 「アラハン」とは、仏陀である阿羅漢のことである。
過去世において、仏陀と縁があった人は、その当時の仏陀のお姿が観える。-
- (9)番の三十二の身体部分(髪の毛、体毛、爪、歯、皮膚、筋肉、腱、骨、骨髄、腎臓、心臓、肝臓、横隔膜、脾臓、肺、腸、腸間膜、胃の内容物、糞便、脳、胆汁、痰、膿、血、汗、脂肪、涙、皮脂、唾液、鼻水、関節の潤滑液、尿)についての観察方法は、アーナ・パーナ瞑想で第四禅に入り、ニミッタの光で三十二の身体部分の一つ一つについて、その形状、色、形状についてそれぞれ観察する。
- (10)番のアーナ・パーナ瞑想については、アーナ・パーナ瞑想のページを開く。
- 慈(メッタ)、悲(カルナ)、喜(ムディター)、捨(ウペカ)の瞑想 4種
慈・悲・喜の瞑想は、第三禅まで、捨(ウペカ、好き嫌いを離れていること)の瞑想は、第四禅まで行ける。
- 慈の瞑想
慈(メッタ)を送る対象は、自分、自分の尊敬する人、親しい人、友人、嫌いな人、それ以外
の対象にも送る。
慈(メッタ)を送る方法は、先ず自分の姿を思い浮かべ、次の四つのことについて、心の中で
唱え慈を送る。
(2)私の心が平安でありますように、念じたてまつる。
(3)私の身体が平安でありますように、念じたてまつる。
(4)私の心と身体が幸せでありますように、念じたてまつる。
次に尊敬する人の姿を思い浮かべ、その人に対して次の四つのことについて、心の中で唱え慈(メッタ)を送る。
そのときには、尊敬する人の名前を心の中で唱えてもよい。
(1)私の尊敬する人が、安全でありますように、念じたてまつる。
(2)私の尊敬する人の、心の苦しみがなくなりますように、念じたてまつる。
(3)私の尊敬する人の、身体の苦しみがなくなりますように、念じたてまつる。
(4)私の尊敬する人の、心と身体が幸せでありますように、念じたてまつる。
次は、自分の親しい人、友人に慈を送る。その場合には、尊敬する人に慈を送るときと同じような方法で行う。
死んだ人、嫌いな人、一人の異性には送ってはならない。異性の場合には、グループであれば送ってもよい。
次には、それ以外の対象に慈を送る。
その対象12種
- 一切の有情(サッベ サッタ・五薀に執着している生き物)
- 一切の息のあるもの(サッベ パーナ)
- 一切の生物(サッベ ブータ)
- 一切の人間(サッベ プッガラ)
- 一切の生命のある者(サッベ アッタ バワー パリヤ アパンニャー)
- 一切の女性(サッベ イッティー)
- 一切の男性(サッベ プリサ)
- 一切の聖者(サッベ アリヤ )
- 一切の凡夫(サッベ アナリヤ)
- 一切の天神(サッベ デーバ)
- 一切の人類(サッベ マヌッサ)
- 一切の悪道衆生・この中には一切の動物、阿修羅、餓鬼、地獄に堕ちいてるものを含む
(サッベ ウィニ パーティカ)
以上の対象については、慈悲の瞑想の方法で慈悲を送る。
- 悲の瞑想
親しい人の中で苦しんでいる人がいたら、その人の苦しみがなくなるように瞑想する。瞑想方
法は、慈の瞑想の方法と同じである。「私の親しい人々の苦しみがなくなりますように、念じた
てまつる」と瞑想し、その人の苦しみがなくなるようにする。
悲の瞑想は、前記の12の対象にも行う。
- 喜の瞑想
慈悲の瞑想と同じ方法で、「私は、もっと成功しますように、念じたてまつる」、「私の親しい
人々が、もっと成功しますように、念じたてまつる」と、その人が喜ぶようになるように瞑想す
る。悲の瞑想と同じように、12の対象にも「喜」を送る。
- 捨の瞑想
「あの人の業は、あの人の業でありますように、念じたてまつる」と、瞑想する。
人間は、過去のカルマで生きている。カルマは、その人のカルマであって、他人のカルマでは
ない。
瞑想方法は、「一切の有情の業は、その者の業でありますように、念じたてまつる」と、瞑想
する。
この瞑想も、12の対象について捨の瞑想を行う。
- 食べ物を厭う瞑想 1種
自分が食べ物を得るためには、どれだけの苦労をしたのか、どれだけの人の苦労や努力があっ
たのか、又、どれだけの命が失われたのかということを観察する瞑想である。食事のときに、自
分が食い殺される状態を想い起こし、それと同じ過程が行われていることを認識する。そのよう
な食に対して生ずる厭わしい想いを、食厭想という。この瞑想は、第三禅まで行ける。
- 四界分別観 1種(対象は四つある)
身体の要素である、地、水、火、風の四大要素について、その働きを観る。
この修行法の目的は、身体を構成する四大要素の中の色聚(極微粒子・カラーパ)を明確に
観察することにある。
観察方法は、次のように観察する。
- 身体の「地」の部分については、固さ、荒さ、重さ、柔らかさ、滑らかさ、軽さ。
- 身体の「水」の部分については、流動性、粘着性。
- 身体の「火」の部分については、熱さ、冷たさ。
- 身体の「風」の部分については、支える力、推す力。
自分の身体に対するこの十二の特性について、1分間に2~3回観察できるように修行する。
それができるようになると、自分の過去世と来世を観ることができる。
- 四無色禅(アルーパ・ジャーナ)4種
- 空無辺処禅=一切の物質的な形を離れ、一切の作為の無い無辺の空を観ずる禅定。
この瞑想法は、前述した十遍の虚空遍の方法と同じである。五禅支を確認し、五自在で修行し
第四禅まで行う。
- 識無辺処禅=空無辺処を超えて、識を無辺なりと観ずる禅定。
先ず空無辺処禅に入り、そこから出て、識無辺処禅のほうが静かであり、空無辺処禅はいらな
い、空間に集中して「アーカーサウィニャナ(識)、・・・」と、心の中で唱えて禅定に入る。禅
定に入ったら唱えない。前記と同じく第四禅まで行う。
- 無所有処禅=いかなるものも、そこに存在しない三昧の境地。
先ず識無辺処禅に入り、そこから出て、識無辺処禅より無所有処禅のほうが静かであると想っ
て、空無辺処禅の心の不存在に集中し、「ナッティンケイシ(無処有)・・・」と、心の中で唱え
禅定に入る。禅定に入ったら唱えない。前記と同じく第四禅まで行う。
- 非想非非想処禅=一切無処有想(無所有処と同じ境界)をも超越して、想があるのでもな
く、ないのでもないという境地。
先ず空無辺処禅から無所有処禅まで入り、無所有処禅から出て、無所有処禅はいらない、もっ
と静かな非想非非想処禅が欲しいと念じ、無所有処禅の心に集中する。
集中して、「イータン、タンダン、イータンパニダ(この心は静かである、この心は至高である)・・・」、又は、「タン
ダン(静かである)、・・・」、「パニダ(至高)・・・」と、心の中で唱える。禅定に入ったら唱えない。
前記と同じく第四禅まで行う。
この瞑想法を正しく実践すれば、四段階の禅定を経て、色界第四禅定まで、心を成長させることができる。
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